マンガでわかる家族療法 大人のカウンセリング編

しまった、マンガばかりだ…。でも、マンガのおかげで今の自分がありますので堂々と書いていきます。
東豊先生のマンガでわかる家族療法第2弾。

  • 症状はどのようにでも見立てることは可能。それがどれほど本当っぽく見えたとしても真実ではない。真実である必要もない。問題持続システムを変えることに役立つのなら、どんな見立てでも上等。
  • 家族療法が上達する秘訣は、特定の価値観・ものの見方に縛られないこと。ネガティブにとらえたり、ポジティブにとらえたり。そして家族コミュニケーションの総合作用の中でとらえること。また家族療法のいろいろな流儀の本を読むこと。
  • 見立てによる仮説は介入計画にダイレクトに反映される。
  • 課題を実行してもらえる確率を高める方法にはいくつかある。もったいぶって出す「悪魔の契約」など。
  • 自分の嗜好をよく知って、それに応じた「仮説設定」「介入計画」を修得するように励むと、抵抗なく心理臨床の世界で活躍できるようになる。
  • 一番に見立てるべき対象は、実はセラピスト自身の頭の中(考え方の区癖や今現在の思考)。
  • 家族療法には「利用法」(utilization)という考え方がある。ジョイニングのための利用法と、変化を作るための利用法があり、対象者がすでに所有しているもの(症状、行動、ルール、癖、嗜好、価値観や考え方)をうまく使う。
  • 原因が重要なのではなく、何を原因として扱うか、あるいは扱わないかが重要。真の原因や真の問題には興味はない。
  • 家族の内側に「すでにある」ものを質問で発掘し、セラピー本来の目的のためにそれらをうまく加工した上で、「解釈」や「課題」として家族に提示する。元ネタは家族の中にあったものだから、押しつけになりにくく、結果的に家族はセラピストの言うことによく耳を傾け、課題を実行することになる。
  • 治療的二重拘束(therapeutic double bind)を形成する。すなわち、セラピストの指示に従っても従わなくても治療的であるといった文脈を形成すること。セラピーを上手に進めるためのコツは、利用法と二重拘束。この二つに勝るものはない。
  • セラピストが固定化したシステムを変えるための技法として案バランシングがある。例えばわざと家族の一人に肩入れして関係のバランスを崩すなど。
  • 目の前で起きていることをセラピストである自分の責任であると思えなくなったり、問題のある人物、家族などと本気で信じると失敗につながる。
  • 家族システムは解放システムだが、初学者はセラピストである自分自身と家族との関係性が読み取れない場合がある。
  • どんなセラピーでも、面接室以外の要因に影響される。セラピストを含んだ職場の人間関係、紹介者など。

ちょっと認知行動療法では考えられない方法が展開している。精神分析のセミナーで、各派の考え方は、どれが正しいということはなくセラピストにマッチしているかどうかが大事といわれたが、それと通じるものがある。